2009年1月27日火曜日
【猫哲学71】 UFOを信じますか。
猫┃哲┃学┃の┃お┃部┃屋┃μ┃
(2005/07/15)
うちのバカ猫は、ニャントロ星人の陰謀である。
ニャントロ星人を知らない? あなたはモグリですな。この世の不思議を探求する人で、ニャントロ星人を知らない人はいないよ。
ニャントロ星人というのは、数万年前にシリウス方面からやってきた宇宙人である。姿は、猫によく似ているらしい。武田了円という立派な方の著書で紹介されている内容によると、シリウスの周りを回る惑星から来たんだと。ドゴン族の宇宙伝説について調べたマルセル・グリオールによれば、「シリウスの周囲を回るシリウスCの惑星から舟でやってきたノンモ」というのがいるそうだから、ニャントロはその親戚なのだろうか。
ただ「ノンモ」というのは知性を持ったかっこいい宇宙人らしいが、ニャントロ星人のほうは頭が悪くて、しかも性格まで悪いので、人類に対して悪辣だがせこい陰謀をしかけてくるのだそうだ。
どんな陰謀なのかを列挙してみよう。
「借りたいと思ったビデオが借りられない」
「銀行の預金残高が増えないのもニャントロ星人のせい」
「無意識に目覚まし時計を止めるのもニャントロ星人のせい」
「日本人の多くが記録媒体にMOを使うのもニャントロの陰謀」
「ポルターガイスト現象は、ニャントロ星人が床を叩いている」
「タグが無効になっているのもニャントロ星人の仕業」
「二千円札登場も当然ニャントロ星人のせい」
「大阪府立図書館の移転もニャントロ星人の仕業」
「引っ越し前にブックフェアがあるのはニャントロ星人のせい」
「夏服に替えた途端に気候が涼しくなるのもニャントロ星人の陰謀」
「公営ギャンブルが赤字なのはニャントロ星人の陰謀」
「thinkpadとwin95でまともな文章が書けないのはニャントロ星人の仕業」
「ブッシュ大統領が選挙で勝つのもニャントロ星人のせい」
「スターバックスコーヒーとam/pmを勝手に作る」
「ホームページを勝手に18禁サイトとして登録する」
「・・・・・・・・・」
…ニャンというか、まあ、そういう極悪な陰謀をやっている宇宙人らしいのである。ということなのだから、うちのバカ猫がいつのまにかここに住み着いてしまったのも、ニャントロ星人の陰謀でないわけがないでしょ。
で、そのニャントロ星人の乗り物がUFOなのだという。そうなんだろバカ猫。おい、知らん顔するなよ。
以上はもちろん冗談である。で、今回のお題は、UFOなのでした。
さて世の中には、UFO信者とUFO否定論者がいる。どちらもアホである。
そもそもUFOというのは未確認飛行物体のことをいう。何かしらんけど飛んでいる何かわからんものがUFOなのだから、正体がわからないのである。正体のわからないものは、信じることも否定することもできない。哲学的にいえば、これで終わりである。
それを信じるの信じないの、議論をすること自体がナンセンスだ。だけどそういうアホがおおぜいいるので、今回も笑ってやりましょうね。
まずUFO信者の話をしよう。代表格が「宇宙友好協会」である。
宇宙友好協会なんて、もう誰も知らないだろうな。でも一時はものすごい勢力を持ち、財界人や著名人も巻き込んで、本を何冊も出版しては大儲けし、全国に22もの支部を展開する日本最大の、いやひょっとすると人類史上最大のUFO信者団体だったのだ。
現代のイメージでいうと、オウム真理教と幸福の科学を足して二で割らないみたいな感じだな。アホらしさもよく似ているし。
宇宙友好協会(CBA=コスミック・ブラザーフッド・アソシエーションだって、大笑)は1957年に設立され、なぜだかあっという間に大組織となった。そこまではどうでもいいんだけど、1959年になって、代表の松村雄亮というおっちゃんが、いきなりヘンなことを言い始めたの。
曰く、地球にはもうすぐ、地軸の傾きによるカタストロフィが迫っている。そのときには、ごく限られた数の熱心なUFO信者だけを宇宙人が救出してくれる。救出された人々は宇宙人に再教育されて、人類が絶滅した後の地球に送り返され、新しい理想郷を建設するのである。一刻も早くそのための準備を始めなさい。時は切迫している。終末の時とは1960年、来年だあああああ。おりょ。
世の中にはおめでたい人がいるもので、世界の終わりだというので会社を辞めたり、全財産を処分して協会に寄付したり、一家揃って山の中に移住したり、いやはやもう、一部ではえらい騒ぎになったそうだ。なんでまあそんな戯言を信じるんだか。
そうこうするうちに、ついに1960年になった。松村のおっちゃんは「終末は3月21日である」と予言した。なんでそんなことがわかるのかって? 親切な宇宙人がテレパシーで教えてくれたんだってさ。おいおい。
そのときに、会員に極秘あつかいで伝達されたメッセージというのが笑える。「みんなノコギリを持ってくるように」だって。なんでもね、UFOが地上に降りてくるときに、松の木にひっかかったりしたら困るでしょ。だから枝を切るのに必要なんだって。私ならこのあたりで、すべては冗談だったのかと疑いたくなるのだが、それでもまだ信じている人が何千人もいたらしい。
そして3月21日になった。なんも起きない。松村のオヤジは「あれはまちがい。6月21日でした」と言い出した。そいで6月21日になった。やっぱりなあーんにも起きない。松村の野郎は「11月22日でした。こんどこそ本当ね」と言い出した。だけどその日が来ても世界が滅んだりしなかったのは、みなさんご存知のとおり。
ここまでくると、「アホかこいつは」と思うなり、「金を返せ、青春を返せバカヤロー」と松村をぶん殴るなりするのがフツーだと思うんだけどな。
CBAがその後どうなったかについては、ここでは書かない。松村代表が今でも健在だなどというムカつく話も、あえて書かない。知っておいてほしいのは、UFO信者というのがどんな性質の連中なのかということだ。
でもまあ、べつにモノはUFOに限らないよな。オウムとか統一協会とかラエリアンとか池田大作とか、似たような連中はたくさんいる。これは人間というやつのどうしようもなくしょうもない性質の一側面なのだ。そうした心理メカニズムついても私は熟知しているけど、ここではこれ以上つっこまないでおこう。
人間というのがここまでバカなのは、べつにUFOのせいだといっているのではないからね。私はUFO信者の悪口を書いているだけで、UFOの悪口を書いているのではない。誤解なきよう。
余談になるけど私の若い頃、1980年代にもまだこんなバカをやっている連中がかなり生き残っていたようで、私の知り合いも何人か誘われたという話をしていた。「もうすぐ終末が来て人類滅亡だけど、選ばれたあなたはUFOさんが助けてくれるから、私と一緒に行きましょう」なんてね。
そんな風に誘われた知人というのは全員が女性で、けっこうかわいい子ばっかりだった。おいこら、何をやっとるんだUFO信者。ついにナンパ狙いにまで墜ちたか。
話を戻そう。
では反対に、UFO否定論者についてはどうか。これもまた、信者とそう変わらない連中なのである。世の中って、おもしろいね。
UFO否定論者は二種類いる。一種類目は米国の国策で雇われた連中で、CIAもしくはNASAお抱えの科学屋である。こいつらは、とにかくなんでもかんでも否定するのを商売にしていて、論理もへったくれもないUFO否定の妄言をマスコミにばらまく連中だ。
だいたいやねえ、何かわからんもんが飛んでいるという報告があったときに、そいつを見もしないで「UFOではありません」と断言できるなんて、まっとうな科学者でないことは明らかである。米帝国がこんなヤクザを雇って何を隠したかったのは知らないが、とにかく金で雇われて嘘を言いまくる輩なんて信用してはいけないよ。
それにしても、アメリカはいったい何を隠したかったんだろうか。開発中の新型軍用機の秘密が洩れるのを防ごうとしたのか。あるいは、ナチス製のUFOが飛んでいるなんて事実がバレるのが怖かったのだろうか。それとも、裏でこっそりと政府が宇宙人と取り引きをしていて、それを人類に気付かれたくなかったのだろうか。まあどうでもいいけど。
UFO否定論者のもう一種類は、これはもう、お笑い系である。何を考えているのだか、べつにUFOが存在していても損をすることはないだろうに、UFOが存在していることを恐れているかのごとく狂気をこめて否定しまくる人たちである。
私が大学生のときの友人に、そんなやつがいた。1974年にメキシコシティ上空にいきなりUFOが出現して、それが真っ昼間の大都会のど真ん中だったもんだから、少なくとも40万人の人が見たといわれている。レーダーにも映ったので、戦闘機がスクランブルしたりもした。そんな話をしていたときに、友人はこう言ったのだ。
「40万人が錯覚したのだろう」
あのなあ、レーダーと戦闘機はどう解釈するんだよと、私は念のためにきいてみた。
「レーダーは誤作動だ。戦闘機は早とちりだろう」
あっそ。そんなことを言い出したら、富士山だって日本人の思いこみかもしれないし、お月さんが見えているのも人類60億人の錯覚かもしれない。認識論的には反論のしようもないが、そんなことを言い始めたら日常会話などまったく成立しないし、道も歩けないし買い物もできない。このテの主張がUFOに関係するとなると成立すると考えて、恥ずかしいとも思わない輩がけっこういたりするのも世の中なんだよねえ。
もうひとつ、別の人の話をしてみよう。
その人は会社の大先輩で、UFOだの宇宙人だのという話をしていたときに、必死の形相で次のような話をした。
もしも、人類よりもちょい文明の発達した宇宙人がいたとする。その宇宙人は数百年かけて隣の恒星にまで進出できる能力があったとする。そうしたら、数百万年もたたないうちに全宇宙はその宇宙人でいっぱいになっているはずだ。宇宙は実際には数百億年もたっているから、もしもそんな宇宙人がいたとしたら、とっくに地球は侵略されている。でも私は、いまだに宇宙人に会ったことはないから、宇宙人は存在していないのだ、云々。
会社の大先輩だったのでね、その非論理性ぶりはちゃんと追求しませんでした。だからその人は、今でも宇宙人はいないと思っていることでしょう。
ずっと後になって知ったのだけど、その大先輩の論理というのは、けっこう有名でメジャーな論理だった。「フェルミのパラドックス」という名で呼ばれている。物理学者エンリコ・フェルミが1930年代に言った話で、いろいろと議論の的になった。
私ははっきり言うけどね、フェルミさんは原爆の基礎をつくった偉い科学者さんなのだろうけど、宇宙人について何をわかっていてそんなことを言ったのかね。宇宙人が西洋人と同じ行動パターンで侵略植民地主義だなんて、何を根拠に断言できるのかな。宇宙人に会ったこともないくせに。
1930年代といえば第二次世界大戦前、植民地侵略膨張政策が当然のことのように思われていた時代で、大日本帝国だってそうした価値観で動いていた。だからといって、宇宙人も同じように侵略膨張政策をとると考えていいのかよ。フェルミさんの時代からまだ100年もたっていない今の地球人類だって、ああいう暴力的なことはよくないなと思い始めているのに、宇宙人が何万年も何百万年もずっと植民地政策を続けるなどと、どうして断定できるよ。しかも、歴史学者でも心理学者でも社会学者でもないフェルミさんがどんな資格で断言できるよ。何がパラドックスだと、ご大層に。ただのガキの屁理屈じゃねえか。
「フェルミのパラドックス」というのを哲学的に解体して言い換えると次のようになる。
「私は宇宙人のことをよく知っているんだけどさ、そんなやつは存在しないよ」
存在しないものの性質を知ることはできないし、もちろん語ることもできない。ゆえに、存在しないと言うこともできない。この程度の低次元な理屈を持ち出してまで、UFO否定論者たちは何を守ろうとしたのか。けっきょくそこに、連中の限界が露呈しているのである。
今回はもう長くなっちゃったので論理も根拠もかなぐり捨てて結論だけいうけど、UFO否定論者というのは自分がかわいいだけなのだ。
連中にとっては、まず偉大にして霊長であって地球の支配者たる人間サマというのがいてですにゃ、それより偉い神様というのがいる。その中間に、神様よりは偉くないかもしれないけど人類よりも賢こそうな宇宙人などというようなものがいては困るのだ。なぜって、人類よりも下等な(とやつらが信じている)アフリカ人やインド人をいたぶりいじめる理屈が成り立たないもんな。それで、その構造のなかでは、宇宙人が邪魔なのだ。存在してほしくないわけよ。
そんな心理構造を西洋人が持っているのは、歴史上の行きがかりとして仕方のないことだとしてもですにゃ、なんで日本人までがそんな論理を引きずらないといけないのだよ。私にフェルミのパラドックスを得々として説いてみせた大先輩がその代表例だが、ひとことでいうとアホである。その人が、カトリック系の大学(日本にはけっこう多い)を卒業しているというのも、偶然ではあるまい。
キリスト教の教えには天使とか精霊とかいうのがありましてね、人間と神との中間に置かれる可能性のある概念をぜんぶ吸収している。で、その天使だか精霊だかが、聖書に予言されているこの世の終わりのときに、真のキリスト者だけを選び出して天国に連れていってくれるんだってさ。これって、最初に書いた宇宙友好協会の話と似ていないか。というか、まるっきりそっくりやないか。
つまりUFO信者が宇宙人というのは、キリスト凶徒が天使というのと同じことなわけで、キリスト凶徒というのはたいがいUFO否定論者なわけで、両者が同じ存在なのは当然だということになる。目から鱗でしょ。
最後に、私の立場を明確にしておこう。UFOや宇宙人は存在するのかどうか。最初にも書いたけど、わからないことは確かめようがないのだからわからない。いつかわかるかもしれないが、そのときはそのときでまた考えればいい。だから私は信者でも否定論者でもない。判断保留論者といっていいかな。
ただし、どちらかというと、存在すると考えたほうが、存在しないと考えるよりおもしろいではないか。よって、おもしろいほうの勝ち。
というわけで、私はUFOがけっこう好きなのだ。文句ある?
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余談もいいとこだけど、私の大好きな韓国映画に『猟奇的な彼女』というのがある。けっこう有名な作品なので観た人も多いはずだが、この映画のラストシーン近くでUFOが飛ぶのである。ところが、映画を観た人のほとんどが「え? UFO?」「そんなの飛んでた?」「覚えてないなあ」という。あんなにはっきりと映っているのに。
ことほどさようにUFOというものは、見たい人だけにしか見えないものなのだろうか。ほへ。
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「あたし、宇宙人に会ったことあるわよ」
と、またまた例の超美女は、とんでもないことを言い始めた。
「えーっ!? どんなやつだった? ニャントロ星人か?」
「べつに。フツーの人だったわよ」
「おいおい、ほんとに宇宙人かよ」
「だって本人がそう言ってたもん」
「そんなこと、証拠にならへんやないか」
「じゃあ、どんな証拠がいるの?」
「えーっと…」
「ここは地球で、宇宙の一部でしょ。違う?」
「うん」
「じゃあ、あたしだって宇宙人でしょ?」
「そうともいえるな…」
「だから、あなたも宇宙人よね」
「まあな…」
「宇宙人なんて、どこにでもいるのよ」
うああああ、こんな結論を求めていたわけじゃないのに、くそっ。
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「ところで、二回も続けて韓国ネタね」
「おっと、バレたか」
「まさか、その映画の女優が美人なわけ?」
「いや美人というより、かわいいというか…、痛っ!」
なぜだかコーラの空き缶が飛んできた。美人を相手にして他の美人の話は禁物だというのは、やはり普遍的な真理なのだろうか。いてて…。
[上の文章は、約4年前に書いたものです。]
[original from 【猫哲学HP】 http://nekotetu.com]
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