2009年1月26日月曜日
【猫哲学69】 言い替えたら終わりかよ。
猫┃哲┃学┃の┃お┃部┃屋┃μ┃
(2005/06/18)
うちのバカ猫に、メシのかわりにハシを与えたとしよう。
もしも仮に、の話である。ハシはメシに関連するものであるから、私がハシを勝手にメシと定義してバカ猫に与えたとしたらどうなるか。
私はいちいちメシをつくらなくていいから楽だし、ハシはスーパーやコンビニでご飯ものを買ったら勝手についてくるのがいっぱい余っているので、とても経済的である。
しかしバカ猫は、そんなことにはごまかされないだろうな。
「これはなんニャ」
「メシだ」
「ちがうニャ」
「私が今日からこれをメシと決めたのだ。黙って食え」
「食えないニャ。メシをくれニャ」
「これがメシだ」
「あんた、ひっかいてやろか」
まあ、こうなるに決まっているだろうな。言葉だけ言い換えて騙されるのは、人間くらいのものだ。
でも近ごろ、ひどい言い換えが目立つよなあ。
このあいだのJR脱線事故で、JR社員が当日に事故を知りながらボウリング大会やゴルフや宴会で楽しく遊んでいたことが批判され、JR西日本はお詫びの記者会見を開いた。席上、JR西日本幹部は事故当日の社員のけしからん振る舞いの調査報告を発表したのだが、宴会やゴルフや接待のことを「不適切な事象」と表現した。
「事象」だと? 事象というのは、辞書をひいてみられるとわかると思うけど、「何となく勝手に起きること」である。いわば、自然現象の一種だな。じゃあゴルフやボウリングや宴会が事象かというと、それはぜんぜん違うことで、人間が意志と決断をもって行う活動である。行為、行動と表現すべきものだ。なんでこんなことに「事象」などとわざわざ耳慣れない言葉を使うのか。
理由は単純なことである。行為、行動と表現すれば、それは人間の意志と決断をともなうものであるから、当然、そんな決断をした責任もまた問われることになる。だとすれば誰かが責任を追及されちゃうよね。そこで「事象」ということにしてしまえば、それは理由がわからないうちに自然に起きたことになるので、誰も責任をとらなくてすむ。こんなことを言葉だけですりかえてうまく逃げ延びようとしているJR西日本幹部というのは、ほんとにしょうもない人間だな。
1992年、高速増殖炉もんじゅがナトリウム漏れ事故を起こして停止したときにも、同じことが起きた。
事故の詳細をマスコミと地元住民に説明しなければならくなって、動燃(当時)と発電所は説明会を開いた。そこで動燃側は「では、事象についてご説明いたします」と切り出した。
このときには怒った地元住民側から「事象だと? 事故じゃないか。事故といえバカ」とつっこまれて、「はい、事故です」と認めさせられた。今回のJR西日本の発言には誰もつっこまかったようだが、プレスも甘くなっちまったもんだよな。
ここで私は、事故だ原因だ責任だなどというややこしい問題について論じるつもりはない。言葉だけを言い換えて、するりと逃げようとするくだらない連中に石を投げているだけだ。
もうひとつ例をあげよう。
サメの脳味噌といわれた森前首相は、ハワイ沖で日本の練習船「えひめ丸」が米海軍の潜水艦に撃沈されて多くの死者がでたとき、それを知らされたのが賭ゴルフの真っ最中だった。森サンは日本人の死者のことなんか気にしないで賭ゴルフを続け、18ホールを終了して賭金を精算してからやっと首相官邸に帰った。このとき、これほどの国際問題をほったらかして賭博にうつつをぬかしていたことがバレて、福田(前)官房長官が記者会見を開かなければならなかった。その会場で、福田官房長官はこのようにいった。
「ま、チョコレートを食べちゃったということで」
チョコレートとは、賭ゴルフの隠語である。賭博をチョコレートと言い換えただけなんだけど、記者団はこれにハハハと笑ってそれ以上追求しなかった。人命よりも賭博を優先させた首相なんて退任させても当然だと思うが、政治記者野郎どもというのも薄っぺらな連中だな。
これで世の中を甘く見た政治家連中は、なんでもかんでも姑息に言い換えだけして切り抜ける方法を身につけてしまった。それが、今の小泉犬畜生総理の妄言の数々につながっていく。あまりも腹が立つから、これ以上追求しないけど。
話の方向を変えよう。
言い換えだけして逃げているのに、差別用語というやつがある。キチガイ、メクラ、ツンボ、チビ、デブ、最近では片手落ちなんかも言ってはいけない言葉になった。かわりに目の不自由な人、耳の不自由な人、身長の不自由な人などと言い換えられている。ちなみに身長の不自由な人というのは冗談である。
このあたりのことは、かの筒井康隆大先生(皮肉ではない。尊敬しているんだよ)が徹底的にやっておられるので、私は深くつっこむ気はない。だけど大先生の奮闘にもかかわらず、マスコミの言葉狩りは続いている。
とりわけ悲しいと思うのは、私が愛してやまない「看護婦さん」という言葉まで抹殺されようとしていることだ。とっても美しい言葉だと思うんだけどなあ。男性のほうを呼ぶのに都合が悪いなら「看護夫さん」といえばいいだけの話じゃないか。ちぇっ、マスコミのバカ。
似たような話をすると、「お手伝いさん」というのも死語に近くなってきている。今じゃ「家政婦さん」か。でも、この「お手伝いさん」という言葉は、昔の「女中」の言い換えとして出現したものだ。「女中」が蔑称だからというので「お手伝いさん」に変えて、それもまた蔑称だというので「家政婦さん」にしたわけだけど、どうせ、これもまたいずれ蔑称だということにされるにきまっている。そのときにはどんな言葉に言い換えられるのだろうな。「ハウスキープ・ヘルパー」なんてとこかな。でも「ヘルパー」というのがちょっと障っているよな。んじゃ、「マネージャー」か。それもなあ…、いや、やめとこう。妄想をいくら語っても意味はない。
話をちょっと戻すと、江戸時代では「女中」というのは蔑称でもなんでもない言葉だった。女性を示すただの一般名詞で、むしろ尊称としての意味さえあった。時代劇では「いやさお女中、お待ちなされい」などという風に使う。これに差別性を感じて使用を禁止した人というのは、つまり自分が差別感情を持ってこの言葉を使っていただけだ。自分のヤボな感情を反省するのは勝手にやんなさい。だが、他人にまで押しつけるなよな。
とはいっても私は、これらの愚行を糾弾しようとも思わない。どうせこんな風潮は止まらないし、世の中はバカのほうが多い。つまり諦めているのだ。なんとでもしやがれ。オレはオレで勝手にやってやる。もしも私が病気で入院なんかしたら、ぜったいに「看護士」さんなんて言うもんか。「看護婦さん」と呼んでやる。
さて、ここまでの話なら、世間によくある評論のたぐいでしかない。猫哲学はこんな平凡な話をして終わることはできないのだ。さあ、ここから一気にお笑い系に飛ぶぞ。
その前に、私の立場を明確にしておこう。
言葉の言い換え、けっこうじゃねえか。やるならやりやがれ。だけどな、どうせやるなら徹底的にやってもらおう。そのほうが、おもしろいもん。
んで、世の中には差別用語がまだまだたっぷり残っている。これをどうにかしてみやがれってんだ。とりわけ動物の世界が、手つかずのまま残されているぞ。実例を示してやろう。
メクラウナギ。
これはいかんだろう。目の不自由なウナギ、という風にすべきじゃないのか。
メクラウオ、なんてのもいるぞ。
視覚障害者的ウオ。まあいいか。
イザリウオにイザリトカゲ。こいつらはどうする。
足の不自由なウオ、足の不自由なトカゲ。ところで、ウオに足なんてあったっけ?
コビトカバ。これもいかんぞ。
身長の不自由なカバ。なんだか笑えてきたな。
覚えているだけでもボロボロ出てくるので、百科事典で調べてみました。
メクラヘビ、メクラネズミ、メクラヘビモドキ。(モドキというのもちょっとアブナイ感じ)。
ザトウクジラ、もなかなかのもんだ。
ハゲタカ、ハゲコウ、ハゲワシ。
コビトドリ、コビトワニ、チビクモヒトデ。
ジョロウグモ。
サンバガエル。これもいいセンいってるぞ。助産婦ガエルか。ぎゃは。
ナマケモノ、なんてのもかなりひどい。
ミツユビナマケモノ。ときたら、どう評したらいいかわからん。
オシドリ。(それは違うでしょ)
ヌスビトカササギ、オオトウゾクカモメ。(話が違う方向へいってるような気が…)
え~っと…。これで昆虫図鑑なんか持ってきたら、もっとすごいことになるだろうな。まあ収拾がつかなくなるうちにやめておくけど、最後にこれだけは、どうしても指摘しておきたい。
ステゴザウルス。
あんまりだ。かわいそうすぎる。いたいけな恐竜ちゃんを、なんて差別的な呼び方をするんだ。ヨウゴシセツヒホゴジドウザウルスとかなんとかにしてあげなければ。
ちょっと長いかな。ほへ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いつもの超美女とそんなバカ話をしていたら、彼女はうれしそうに笑ってこういった。
「四つ葉のクローバーなんてのも、かなりあぶなくない?」
「うわあ、そっちの方向からきたか」
「ちょっとブラックすぎるかな」
「おい、やめとけ。それ以上しゃべるな」
「英語で永遠って、どう…」
「黙らんと、しばくぞ」
「ピルに○ンドー○にオギノ式ときたら…?」
「こらーっ!!!」
「○□××△○×□??」
「○○□△××!!!!」
「(以下、自主規制)」
それにしてもこの女、前回で出入り禁止にしたはずだったのに。
[上の文章は、約4年前に書いたものです。][original from 【猫哲学HP】 http://nekotetu.com/][mail to:nekotetu@mbr.nifty.com]
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿